【司法試験】行政法(R7)
問題
【出典:法務省ウェブサイト (001443623.pdf)】
答案(例)
第1 設問1(1)
●処分性
1.本件勧告
(1)主張
本件勧告は、行政指導であるので、処分性を有しない。
(2)反論
それに対しては、勧告に従わない場合には相当程度の確実さをもって保険医療機関の指定を受けられず、実際上開設断念せざるを得ない、との病院開設中止勧告事件の論理により、処分性を有するとの反論が想定される。
(3)再反論
しかし、指示・公表の段階で争えば、実効的救済は可能。「できる」(本件条例33条1項、34条)としており、効果裁量があることから、指示・公表がされるか未定。
2.本件指示
(1)主張
市長が、相手方の同意なく一方的にされるものであるから、処分性を満たす。
(2)反論
それに対し、罰則がないから処分性がないとの反論が想定される。また、事実行為に過ぎないとの反論も想定される。
(3)再反論
しかし、罰則は決定的ではない。また、公表がされれば、重大な悪影響がある。実効的な権利救済が必要。
第2 設問1(2)
●「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の4第1項本文)
1.この点、処分後に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容易に救済を受けられるものではなく、処分前に差止めを命ずるのでなければ救済を受けるのは困難、との判例がある。
2.すぐに公表される訳ではないことから、可能性はある。販売の支障は金銭解決可能。
3.しかし、間に合うか不明であり、容易ではない。また信用低下は金銭のみでは賄えない側面がある。
4.よって、…はあると認められる。
第3 設問2
1.勧告事項1
(1)主張:「居住者」(本件条例29条2項)は、現に居住しているもの。趣旨(本件条例1条)から。
(2)反論:一時的に離れているだけ。
(3)再反論:住んでいない状態は継続。
2.勧告事項2
(1)主張:「必要がある」(本件条例20条1項)は、規制基準(同8条1項、4条1項1号)の違反があった場合を意味する。
(2)反論:●行政裁量の逸脱・濫用→ 要件裁量があり、違反以外の場合も可能。
(3)再反論:裁量はない。あるとしても、数値基準を超えている高度の蓋然性が認められる、等の数値基準に基づいた立入理由を論証すべき。法は28条の罰則のみ想定。
3.勧告事項3
(1)主張:数値基準に該当しない。
(2)反論:…専門性・技術性、及び「…」(本件条例32条)という抽象的文言。よって、要件裁量あり。
(3)再反論:裁量なし。あるとしても、他事考慮。数値・距離基準を無意味にする。
以上
出題の趣旨
【出典:法務省ウェブサイト (001450299.pdf)】
採点実感等
【出典:法務省ウェブサイト(001453798.pdf)】
参考
・「一方性」とは、法的効果の設定が相手方の同意に依存していないことを意味する。とのこと。
・設問1(2)においては、取消訴訟及び他の救済(執行停止申立て)を踏まえる必要がある。とのこと。
・反論は、一言だけ、では駄目な模様。勿論そうだろう。論理を出す必要がある。しかし短く。
その他
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