【司法試験】刑法(H28)
問題
【出典:法務省ウェブサイト (<5461726F2D30368C598E968C6E89C896DA91E6825096E22E6A7464>)】
答案(例)
第1 甲の罪責
1.A本人を装い腕時計の購入をした行為について、詐欺罪(254条)が成立しないか。
(1)●詐欺罪
(2)あ
(3)結論:成立
2.売上票用紙にAの名前を記入し手渡した行為について、私文書偽造罪(161条1項)が成立しないか。
(1)●名義人の承諾
(2)あ
(3)結論:成立
3.乙がAの顔面を石で殴った行為について傷害罪(204条)が成立しないか。
(1)「一緒にAを止めよう」と伝え、乙が了承している。暴行罪(208条)について共同正犯が成立する。
(2)しかし、甲は、石で殴ることは認識していない。
ア ●結果的加重犯の共同正犯
イ あ
ウ 結論:構成要件該当
(3)もっとも、そもそもAを押さえたのは、Aが殴り掛かりつつあったから。そこで、正当防衛(36条1項)により違法性阻却されないか。
ア 急迫不正の侵害:あり
イ 防衛するため:あり
ウ やむを得ずにした行為と言えるか。
あ:体格的に二人なら足りた。やむを得ないとは言えない。
(4)よって、後述の通り、乙には正当防衛は成立せず、傷害罪が成立する。
しかし、甲は石で殴ることは認識していないことから、違法性を基礎づける事実を認識していない。よって、責任故意は阻却される。
(5)甲乙の共犯関係はいかなる限度で成立するか。
ア ●部分的犯罪共同説
イ あ
ウ 結論:傷害座の限度で共同正犯。
4.Aの財布を持ち去った行為について窃盗罪(235条)が成立しないか。
(1)「財物」
(2)「窃取」
(3)中身の現金を取ろうと考えており、不法領得の意思も認められる。
(4)もっとも、甲は、Aが死亡したと誤信しており、故意が認められるか。
ア ●死者の占有
イ あ
ウ 結論:故意あり。
(5)窃盗罪成立
5.罪数
以上より、①詐欺罪、②有印私文書偽造罪、③同行使罪、④窃盗罪が成立する。そして、②と③、③と①は各々牽連パン(54条1項後段)となる。さらに、それと④とが併合罪(45条)となる。
第2 乙の罪責
1.Aの顔面を石で殴った行為について、傷害罪が成立しないか。
(1)…なので「傷害」の構成要件には該当する。
(2)しかし、乙は甲がAから殴られるのを防ぐために行為に及んでおり、正当防衛が成立しないか。
ア 急迫性:あり
イ 不正の侵害:あり
ウ 防衛するため:あり
エ しかし、やむを得ずした行為といえるか。
(ア)あ:…だが、…。
(イ)結論:言えない。
オ 傷害罪が成立し、過剰防衛となる。
2.Aの財布持ち去り行為
(1)●不法領得の意思
(2)あ
(3)結論:認められない。
器物損壊罪(261条)。甲との間で…として了承しており、共同正犯。
3.罪数
傷害罪の過剰防衛、器物損壊罪。併合罪(45条)となる。
以上
出題の趣旨
【出典:法務省ウェブサイト(<5461726F2D81698AAE90AC94C5816A915391CC2E6A7464>) 】
採点実感等
【出典:法務省ウェブサイト (001208797.pdf)】
参考
・共同行為毎に論述した方が良く書けていたらしい。そうだろうなと。いずれそうしよう。また、1つの技能として身に付けておこう。
・殴ると認識していなかったから、共謀の射程外、とも言えないらしい。まぁ、そうだろうなと。
その他
・返済しているし、横領・背任は書かなくても実務上問題ないのではなかろうか。
