【司法試験】刑法(H27)

問題

【出典:法務省ウェブサイト (001144529.pdf)】

答案(例)

第1 甲の罪責
1.A社開発部室への立ち入りについて、建造物親友罪(130条)が成立しないか。
・…なので「人が看守する」、…という「建造物」に、…しており「侵入」にあたる。
・結論:成立

2.書類持ち出し行為について窃盗罪(235条)が成立しないか。
(1)「窃取」
・定義
・あ:多少厚めに。
・結論:該当
(2)「財物」
・定義・あ・結論:該当

3.Cからかばんを奪取した行為について、…という「暴行」はなく強盗罪(236条)は成立しない。そこで、窃盗罪(235条)が成立しないか。
(1)「窃取」該当
(2)しかし、自己の所有物と認識しており、故意が認められるか。
ア ●錯誤
イ そこで、窃盗罪における犯罪事実とは何か。
●財産罪(窃盗罪)の保護法益
ウ あ:窃取の範囲で一致
エ 結論:故意あり。
(3)もっとも、窃盗犯人からの取り戻しの意思であるが、Cはかばんを窃取しておらず、正当防衛(36条1項)としての急迫性は認められない。
しかし、…という「急迫性」は認められるため、誤想防衛が認められないか。
ア ●誤想防衛
イ あ
ウ 結論:認められる。
(4)ただ、…突然奪い取りは、…という「相当性」を欠く。他方で、甲は過剰だとは認識していない。
●誤想過剰防衛
結論:故意は阻却されず、窃盗罪が成立し、過剰防衛(36条2項)同様となる。

4.Cに傷害を負わせた点については、過失による結果的加重犯としての傷害罪(204条)が成立する。
5.罪数
以上より、甲には、①建造物侵入(130条)、②A社書類についての窃盗罪(235条)、③Cのかばんについての窃盗罪(235条)、④Cに対する傷害罪(204条)が成立する。そして、①・②は目的・手段として牽連犯(54条1項後段)となり、③・④は社会通念上1個の行為についてであり観念的競合(同項前段)となる。さらに、①②と③④とは併合罪(45条)となる。なお、後述の通り、①②については、乙との共同正犯(60条)となる。

第2 乙の罪責
1.甲の書類持ち出し行為について、窃盗罪の共同正犯(60条、235条)とならないか。
(1)乙は何ら実行行為を分担していないが、●共謀共同正犯。…であれば、共同正犯が成立しうる。
あ:ポケットマネー(むしろ負担)、海外支社長は営業とは直接関係ないと認められる。窃盗の結果を自らの利益としておらず、教唆(61条)に留まる。
(2)しかし、乙は、…なので業務上横領(253条)の教唆の意思であった。そこで、甲が犯した窃盗罪について故意が認められるか。
ア ●共犯と錯誤
イ あ
ウ 結論:罰金刑があり軽い窃盗罪の限度で教唆犯。
2.罪数
乙には、建造物侵入(130条)及び窃盗罪(235条)の教唆犯(61条)が成立する。そして、両者は社会観念上1個の教唆行為によるため、観念的競合となる。

第3 丙の罪責
「他人の財物」たる甲のかばんを持ち去った行為について窃盗罪が成立しないか。
1.「窃取」したといえるためには甲に占有が認められる必要があることから、その点について検討する。
(1)あ
(2)結論:占有・窃取あり。
2.丙は、甲のかばんだと認識しており、故意も認められる。
3.もっとも、丙は…であり、不法領得の意思が認められるか。
ア ●不法領得の意思
イ あ:刑務所志願
ウ 結論:認められない。
4.犯罪不成立。
以上

出題の趣旨

【出典:法務省ウェブサイト (<5461726F2D81798FA496408DB791D6817A8F6F91E88EEF8E7C8D8791CC94C5>) 】

採点実感等

【出典:法務省ウェブサイト (001166218.pdf)】

参考

その他

・事実認定:器物損壊等等まで書けない。結論:書く必要ない。理由:差がつかないので。
・条文は、一度引用したら、あとは単語だけでOK。理由:伝わる。●検討:形式としてどうか?