【司法試験】憲法(R3)

問題

【出典:法務省ウェブサイト (001350705.pdf)】

答案(例)

第1 規制①
規制①は、顔を隠し集団行進に参加する自由を制約し違憲ではないか。
1.●論点:集団行進の自由
→保障される。
2.規制①により顔を隠して集団行進に参加することは禁止され、制約されている。
3.かかる制約は正当化されるか。
(1)集団行進の自由は、…であり、重要である(●判例)。
この点、顔を隠すこと自体に何ら表現の要素はないことから、重要性は低いとの反論がある。
しかし、憲法に匿名性があるか否かで人権保障の程度を区別していると解する端緒はなく、かかる反論は妥当ではない。
(2)他方、その規制態様は、顔をさらすことにより、自らの政治信条を表明することを強制する点、それが社会生活上不利益に解されることから、強度である。
この点、顔を隠すことに伴う付随的・間接的規制に過ぎないとの反論が考えられる。
しかし、顔を晒すことにより、表現自体に対する萎縮的効果が生じうることから、かかる反論は妥当ではない。
(3)そこで、規制①の合憲性はは、…厳格な基準、即ち…によるべきであると解される。
4.これを本問について見ると、①目的は…であり、止むに止まれぬものと認められる。
②その手段は、一定の例外を許容してはいるものの、参加者の氏名を警察に届け出るにとどめる等のより制限的ではない手段がありえる。よって、必要不可欠・必要最小限とはいえない。
以上より、規制①は違憲である。

第2 規制②
規制②は、団体の機関紙等による表現の自由を侵害し違憲ではないか。
1.保障される。
2.規制②の報告義務付け、及び観察処分により制約されている。
3.かかる制約は正当化されるか。
(1)団体の機関紙等による表現の自由は、…であり、重要である(●判例)。
(2)また、規制②の規制態様は、公的期間への報告や、監視を伴うものであり、強度である。
この点、媒体の名称のみであること、誰でも見られるものであることから、重要性は低いとの反論がありえる(●判例)。
しかし、限られた情報かつ誰でも見られる情報であることが、権利の重要性を左右するものではなく。かかる反論は妥当ではない。萎縮的効果がある。公安委員会に知られるとなるとなおさら。かかる反論は妥当ではない。
(3)そこで、規制②の合憲性はは、…厳格な基準、即ち…によるべきであると解される。
4.これを本問について見ると、①目的は…であり、止むに止まれぬものと認められる。
②その手段は、半数程の者が該当するに過ぎないことから、過剰である。該当者を除名することを促し、それに応じない限り規制する、その者のみを規制する等、段階的なより制限的ではない手段がありえる。よって、必要不可欠・必要最小限とはいえない。
以上より、規制②は違憲である。
以上

出題の趣旨

【出典:法務省ウェブサイト (001355370.pdf)】

採点実感等

【出典:法務省ウェブサイト (001358131.pdf)】

参考

・「権利制約の必要性」は、制約のお後において、権利の重要性、のところで書くか。
・精神的自由に立法裁量による制約はない。
・制約、についても、主張・反論はある(直接か、間接か、等)。
・多くの答案が、規制②について1つだけ検討していた。それで良い。他の科目もある。「力士」が自ら設定する土俵に上る必要はない。
・●検討:「合憲性の判断枠組みは問題となる権利とその制約の分析を通じて定立されるべきである。制裁の有無や程度は、手段審査において考慮すべき事情である。」とのこと。だが、萎縮的効果等を検討することもあり、制裁の有無や程度が「制約ではない」とは言えないのではないか。少なくとも受験生に対する説明(熱意)不足と認定されようか。

その他

・委員会、は書かない。それでよかった模様。
・骨子第3の1・2等分けて書く。
・主張・反論は、(1)権利性、(2)制約、(3)①権利の重要性、②規制態様、③目的、(4)あてはめ、等が考えられる。