統一法(東京地裁平成11年10月13日判決)

律子

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。

【事実の概要】
・A(買主、日本所在)・B(売主、米国所在)は、PC及びその付属品5箱について売買契約を締結した。
・Aは、X(原告、保険会社)との間で、貨物につき保険契約を締結した。
・Y(被告、航空会社)は、貨物の一部(付属品1箱)を紛失した。
・Xは、保険契約に基づきAに対して保険金を支払った後、保険代位により、Yに対して不法行為に基づく損害賠償として保険金相当額及び利息の支払請求をした。
・Xが旧ワルソー条約にいう「運送人」に該当すれば、その責任が免除されうる(同条約22条2項)。そのため、Xの他にも運送に関与した者が複数名存在した中、「運送人」の解釈、及びその判断基準が争点となった。

ワヴィニー

骨子だけなら、答えられますよ。

【判旨】
一部認容、一部棄却

・「出発地を米国内, 到着地を日本国内とする航空機による貨物の運送契約…米国及び日本国はいずれも旧ワルソー条約の締約国…旧ワルソー条約が適用される(同条約1条2項前段)。」
・「旧ワルソー条約…前文…『国際航空運送の条件…使用する証券及び運送人の責任に関し, 統一的に規制することが有益である』との観点に立って作成」
・「旧ワルソー条約…21条…『…裁判所は, 自国の法律の規定に従い, 運送人の責任を免除し, 又は軽減することができる。』と規定し, また, その25条1項において, 『運送人は, …訴えが継続する裁判所の属する国の法律によれば…ときは, …この条約の規定を援用する権利を有しない。』と規定している。
・「こうしたところからすると, 同条約は, 法廷地の法律に従って判断すべき場合があることを当然に予定している。」
・「また, 旧ワルソー条約32条本文…『約款…特約は, …適用すべき法律を決定し, 又は裁判管轄に関する規則を変更…この条約の規定に違反するときは, 無効とする。』と規定しており」
・「…たとい当事者が準拠法について合意していても, 同条約の規定に違反する限り無効とすることとしている。」
・「このような旧ワルソー条約の趣旨, 全体的な規定内容等に照らせば, 同条約は, 同条約1条及び2条に該当する国際航空運送について直接適用されるものと解するを相当とする。」
・「…その解釈, 適用に際して他の批准国における解釈等を参考にすることがあるが, …統一法たることに由来…準拠法を選択した上でその国における解釈に従うべきこととはおのずから次元を異にする」

律子

他にも質問がありますが、またの機会に。