疑似外国会社(東京地裁昭和29年6月4日判決)

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。
【事実の概要】
・P(Delaware州法が設立準拠法、同州が本店所在地)は、「Y商会」から営業譲渡を受けた後、東京都千代田区に営業所を設置し、登記を経た(代表取締役Y(東京に居住していがた日本を出国)が日本における代表者)。
・Pは、その設立以来、U.S.では営業行為をせず、日本でも当該営業譲渡を受ける前は実質的に同様であった。
・その後、A(Pの取締役)が、
・X(Pの取締役)は、(東京に居住していたが)香港に帰った後、P名義の資産に損害が生じるおそれがあることを理由として、①当該営業所の不存在、及び②P(外国会社)には日本において取引を継続する資格がないこと等の確認の訴えを提起し、並びに③Yについて職務執行停止・代行者選任の仮処分を申し立てた。
●Yが異議申し立て。

骨子だけなら、答えられますよ。
【判旨】認可(仮処分決定)
・「Pは, …日本に営業の本拠を置き, 日本において営業をなすことを主たる目的とする会社…」
(・「米国デラウエア州における設立の有効, 無効の判断は別として, …」)
・「商法第482条の趣旨からすれば, 日本における会社と同一の規定に従い設立手続その他の手続をなすべき…」
・「同法第479条により外国会社としての営業所の設置手続をなすことは許すことのできない…」
・「同営業所が法律上存在することを前提として日本において取引を継続してなすことはできない…」
【注記】
●商法第482条は、会社法821条に相当する。しかし、その内容は異なっている。
●商法第479条は、①外国会社(継続取引を行うもの)の代表者の選任、及び②営業所設置義務を定めていた。しかし、②については、平成14年に規定削除。

他にも質問がありますが、またの機会に。