反致(最高裁平成6年3月8日第三小法廷判決)

律子

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。

【事実の概要】
・A(中国国籍)が死亡し、本件土地(日本所在)について、遺産分割の結果、X(Aの配偶者)が単独所有者となった(と主張)。
・その後、Aの父B(台湾出身者)が死亡し、建物(本件土地上)について、Y等が相続。
・Xは、Y等に対し、本件土地の明渡請求訴訟を提起した。
・「承継法」は、中国の国際私法(相続について)、である。

ワヴィニー

骨子だけなら、答えられますよ。

【判旨】
(下記では、法例(平成元年改正前)の条文番号・文言は、通則法で相当するものに置き換えた。)
・「Aの相続に適用されるべき法律は、通則法36条により、中間人民共和国法」
・「相続問題が承継法の発効した時点で未処理であったとすれば、同法の規定がさかのぼって適用される」
・「承継法10条…Aの相続については、その父母もまた第1順位の法定相続人となるべきもの」
・「Aの相続問題は、承継法が発効した時点において未処理であった」
・「承継法の規定がさかのぼって適用され、同法36条及び通則法41条本文の規定により、反致される結果、…不動産所在地法である日本法が適用される」

律子

他にも質問がありますが、またの機会に。

  • X
論点(門戸)

次の記事

派生的損害