二重反致
二重反致について、質問があります。
3つだけなら、答えられますよ。
1.問題の所在は?
1.反致条項の適用に際し、本国国際私法上の(その他の国際私法規定に留まらず)反致規定まで考慮するのか、という問題です。
2.通説(有力説)・判例は?
2.少なくとも従来の通説は、二重反致否定説です。結論的には、日本法が適用されます。
反致条項の趣旨である判決の国際的調和の観点から、本国法の反致規定は考慮しないのが妥当、等が根拠です。
3.反対説・批判は?
3.
・二重反致肯定説です。
・ただし、その中には、①41条の反致が成立し、その次の段階として、本国国際私法の反致条項をも考慮し、結果として本国実質法を適用する、という見解の他、②そのような場合は、そもそも「日本法によるべきとき」(41条)に該当しないとして、反致自体を否定することにより実質的には二重反致を肯定したのと同じ結論(本国実質法の適用)を導く見解と、大きく2つあります。
・批判:判決の国際的調和という反致条項の趣旨を害する
個人的には、そもそも反致否認論に立つこと等から、その登場場面を限定すべく、二重反致肯定説(中でも上記①説)で良いかと現在は考えています。
他にも質問がありますが、4つ目以降は、またの機会に。