夫婦財産制(東京高裁昭和61年1月30日判決)
標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。
【事実の概要】
・X(米国人)・Y(日本人)が婚姻(日本で届出)。
・X・Yは離婚(米国加州裁判所における離婚訴訟の結果)。
・Xが、Yに対し、不動産(日本所在)の共有持分確認・所有権(一部)移転登記手続きをせよと訴えた。
●原審はXの請求棄却。Xが控訴。
骨子だけなら、答えられますよ。
【判旨】控訴棄却
・「…法例15条, 27条3項により…夫たるXの本国法であるアメリカ合衆国カリフォルニア州法…」
・「…カリフォルニア州の抵触法に関する判例…不動産所在地の法律を適用」
・「…リステイトメント(第2集)は, …一方の配偶者が取得していた…夫婦の一方が取得した…いずれも土地所在地の法律を適用」
・「法例29条によりその所在地法たる日本法」
(・「夫婦別産制を採用する日本法の下…Yの所有…Xの主張は失当…」)
【補足】
・上記①法例「法例15条」は、「通則法26条」、また②(法例)「27条3項」は、(通則法)「38条3項」に相当。
・しかし、①は夫の本国法主義、②は後に取得した国籍の優先等、内容は「法例(平成元年改正前)」のもの。
・平成元年改正内容は、通則法に継受されている。①両性平等、②常居所概念の導入・その機能としての補充性。
・他方、「法例29条」は、「通則法41条」に相当。基本的に「法例(平成元年改正前)」と同様。
・ただ、平成元年改正が、常居所概念・段階的連結を導入したことから、その場合の適用除外を定めている点を除く。
他にも質問がありますが、またの機会に。