執行(相殺の抗弁)(東京地裁平成25年4月26日判決)

律子

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。

【事実の概要】
・X(フランス法人)とY(日本法人)は、化粧品の総代理店契約(準拠法:フランス法、専属的管轄裁判所:フランスのSaint-Malo(サン・マロ)商事裁判所)を締結。
・Xは、サン・マロ商事裁判所において、Yに対し、商品代金支払い請求訴訟を提起し勝訴判決(2007年9月)を得て、当該判決は確定した(2010年6月)。
・Xは、当該判決の執行を求め、東京地裁に訴訟提起。
・他方、Yは、Xに対し、①Xの商品出荷中止、及び②Xの契約不当破棄等により、損害を被ったとして、①相殺通知(2007年2月9日付け書面)、及び②相殺の意思表示(東京地裁における当該訴訟において)をした。

ワヴィニー

骨子だけなら、答えられますよ。

【判旨】請求認容

・「実体を伴わない債務名義…望ましくなく, 執行判決をした後…請求異議…訴訟経済に反する」
・「外国裁判所の判決の基準時後の事情(請求異議事由)…執行判決を求める訴えの中で抗弁として主張することができる…」
・「相殺は, 防御方法にすぎず…本件管轄合意があるからといって, …相殺の主張…許されないというものではない。」
・「民訴法…142条の『裁判所』…我が国の裁判所…特段の事情がない限り, Yによる相殺の主張が重複規則に当たり又はその趣旨に反するものとはいえない。」

律子

他にも質問がありますが、またの機会に。