不法行為(虚偽説明)(東京高裁平成30年1月16日判決)

律子

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。

【事実の概要】
・Y1(HK上場会社)の株式(約26%)を、X(日本法人)、訴外A、及び訴外B(Xの完全子会社)が保有。
・Y2(Y1の業務執行取締役・会長)から、当該株式の売却話(@日本)がされ、その際、当該売却の対価として、現金+Y1社資産が予定されている旨の説明あり、市場価格と比し低い価格で当該売却がされた。なお、当該説明の際、D(C社CEO・会長(Y2の前任者))・E(Xの代表取締役(当時))も同席していた。
・Xによる、当該売却に係る契約書への署名地は日本。
・しかし、当該資産は移転されず、かつ、別途Y1が増資する件の情報開示等によりY1の株価は当該売却当時よりも上昇した。
・そこで、Xは、Y1・Y2に対し、虚偽説明及び当該増資に係る計画について説明を受けなかったと主張し、不法行為による損害賠償請求の訴え提起。
・他方、D・Eを当事者として、香港特別行政区高等法院に本件訴訟と事実関係を共通にする訴えが提起されている。
●原審(東京地判平成29年4月14日):日本の国際裁判管轄肯定、かつ準拠法は結果発生地法たる日本法(民法709条、715条)である(通則法17条)とした。

ワヴィニー

骨子だけなら、答えられますよ。

【判旨】原判決一部変更・自判
・「意思表示を日本において行わせたことにより法益侵害の結果が発生」
・「通則法17条本文の結果発生地とは、加害行為によって直接に侵害された権利が侵害発生時に所在した地」
・「損害発生地とは異なる概念」
・「日本より香港のほうが明らかに密接な関係がある地であるなどということは」できない。

律子

他にも質問がありますが、またの機会に。

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