裁判権免除(最高裁平成18年7月21日第二小法廷判決)
標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。
【事実の概要】
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・X(日本企業)が、Y(Islamic Republic of Pakistan)に対し、コンピューター等の売買契約を締結。
・当該売買契約に基づく代金支払債務を目的とする準消費貸借契約を締結。
・Xが、Yに対し、当該債務の履行を求める訴えを提起。
●第一審:請求認容(Y欠席)
●控訴審:訴え却下
●Xが上告受理の申立て
骨子だけなら、答えられますよ。
【判旨】破棄差戻し
・「主権的行為…民事裁判権…免除…国際慣習法」
・「私法的ないし業務管理的な行為…国際慣習法…もはや存在しない」、「通常, …主権を侵害するおそれはない」、「相手方となった私人…司法的救済を一方的に否定…不公平な結果」
・「特段の事情がない限り, 我が国の民事裁判権から免除されない…」
・「私法的ないし業務管理的な行為であるか否かにかかわらず…同意…や自ら進んで意思を表明…我が国の民事裁判権から免除されない…」、「その外にも, 私人との間の書面による契約に含まれた明文の規定…意思を明確に表明…原則として…我が国の民事裁判権から免除されない。」、「主権を侵害するおそれはなく…免除を主張することは, 契約当事者間の公平を欠き, 信義則に反するから…」
(・「本件についてみると…私人でも行うことが可能な商業取引…私法的ないし業務管理的行為に当たる…」、「特段の事情のない限り, …我が国の民事裁判権から免除されない…」、「意思を明確に表明したものとみる余地がある。」)
他にも質問がありますが、またの機会に。