国際商事仲裁(最高裁平成9年9月4日第一小法廷判決)

律子

標記の件、事実の概要は理解しましたが、判旨について質問があります。

【事実の概要】
・X(日本法人)は、Y(米国法人Aの代表者)との間で、Aのサーカス団による日本における興行契約を締結。
・当該契約における合意として、大要「Aの申し立てる仲裁手続きは東京で、Xの申し立てる仲裁手続きはニューヨーク市で行われる」旨の仲裁契約があった。
・Xは、日本の裁判所において、Yに対し、不法行為(欺罔行為)に基づく損害賠償請求の訴えを提起。

ワヴィニー

骨子だけなら、答えられますよ。

【判旨】
・「当事者間の合意を基礎とする紛争解決手段としての仲裁の本質にかんがみれば」
・「明示の合意がされていない場合であっても、…黙示の準拠法の合意があると認められるときには、これによる」
・「仲裁地についての合意がされていることなどからすれば、…Xが申し立てる仲裁に関しては、その仲裁地であるニューヨーク市において適用される法律…準拠法とする旨の黙示の合意がされたもの」
・「アメリカ合衆国の連邦仲裁法…に照らせば、本件損害賠償請求についても本件仲裁契約の効力が及ぶもの」
・「仲裁に付されるべき紛争の範囲と妨訴抗弁を提出することができる紛争の範囲とは表裏一体の関係」
・「不適法なものとして却下」

律子

他にも質問がありますが、またの機会に。

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