通則法19条(名誉又は信用の毀損の特例)

律子

通則法19条について、質問があります。

(名誉又は信用の損の特例)
第十九条 第十七条の規定にかかわらず、他人の名誉又は信用を損する不法行為によって生ずる債権の成立及び効力は、被害者の常居所地法(被害者が法人その他の社団又は財団である場合にあっては、その主たる事業所の所在地の法)による。

ワヴィニー

3つだけなら、答えられますよ。

律子

1.19条(被害者の常居所地法への連結)の趣旨は?

ワヴィニー

1.結果発生地の不明確性、及びその決定の困難性、です。

律子

2.18条ただし書同様の規定が置かれなかった趣旨は?

ワヴィニー

2.一般的には加害者側の予見可能性が認められること、です。

律子

3.しかし実際には予見可能性が低い場合は?

ワヴィニー

3.例えば有名なバックパッカーについては、予見は難しいのではないでしょうね。その場合、被害をもたらした加害者なのだから仕方ない、という実質法上の価値判断が先行するのは問題かと。20条が登場するのでしょうね。
(なお、39条は、常居所が裁判所に「知れない場合」の話です。19条とは、①予見可能性か、認定の問題か、ひいては②主体が加害者か、裁判所か、という違いがありますね。余裕があれば、4つのマトリックス(映画ではない方)を検討してみて下さい。)

律子

他にも質問がありますが、4つ目以降は、またの機会に。

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