金商法~投資教育に呼応し
最近、「貯蓄から投資へ」と言われて久しい日本において、投資教育、ひいては大学生等による投資活動が盛んになりつつあります。
大人になってから、労働者ではない投資家として(株式会社の実質的所有者(一応)となるべく)、妥当な投資判断ができるためには、その前の段階で投資について学んでおく必要がある、ということなのでしょうね。
株式等投資に関する基本的な法律として、日本には「金融商品取引法」が存在します。
大学生・法科大学院生も、その法律を学ぶのですか?
いえ、概して、「七法」+「選択科目」で精一杯のようです。
司法試験・司法修習対策としても必要ない法律を学ぶ時間的余裕等持たないのがある意味では妥当でしょうし。
ただ、同じ政府で、一方では「貯蓄から投資へ」!との大スローガンを何年も掲げながら、司法試験の選択科目としてすら「金融商品取引法」を設けないのは、あまりにバランスを欠くように思われますね。
投資者保護について、実は政府は真剣に考えていない、という穿った見方もできない訳ではない、という人がいてもおかしくはない、と言う人がいないとも限らないように思われます。
どっちやねん!
…し、失礼しました。
それはさておき、金融商品取引法は、民事(損賠賠償義務等)・行政(課徴金等)・刑事(犯罪・刑罰(拘禁刑・罰金刑等))の分野に関係する総合立法です。したがって、「七法」の直後に学ぶ選択科目として、司法試験の選択科目に「金融商品取引法」を加えなはれ、という声もあるのでしょうね。
ただ、典型的な「司法」の方々は、そのために必要な「行政」的・「立法」的実行・実現能力に欠けるでしょうし、(「司法」の枠を凌駕し)かかる能力を有し金商法を知悉する有能なビジネス・ロイヤー等は、そのような問題に興味はない、というのが私の現実認識です。
したがって、金融商品取引法が、司法試験の選択科目となることはないでしょう。