通則法35条(後見等)

律子

通則法35条(後見等)について、質問があります。

(後見等)
第三十五条 後見、保佐又は補助(以下「後見等」と総称する。)は、被後見人、被保佐人又は被補助人(次項において「被後見人等」と総称する。)の本国法による。
 前項の規定にかかわらず、外国人が被後見人等である場合であって、次に掲げるときは、後見人、保佐人又は補助人の選任の審判その他の後見等に関する審判については、日本法による。
 当該外国人の本国法によればその者について後見等が開始する原因がある場合であって、日本における後見等の事務を行う者がないとき。
 日本において当該外国人について後見開始の審判等があったとき。

ワヴィニー

3つだけなら、答えられますよ。

律子

1.通則法35条1項の趣旨は?

ワヴィニー

被後見人の保護です。

勿論、本国法の適用によりなぜそうなるのか?、については、本国法が被後見人に最も密接な関係を有する法であることを重視する本国法主義による価値判断が存在します。

なお、本国法主義の特徴である、被後見人の所在地・その所有財産の所在地等に関係なく統一的・安定的な方が適用される点については、被後見人の保護という個人の利害を超えた趣旨をも有しますね(例:裁判管轄地における法適用の便宜等)。

律子

2.通則法35条2項の趣旨は?

ワヴィニー

被後見人の保護の実効性確保です。

通則法35条2項1号・2号のような場合に、本国法の適用を貫くことは、むしろ被後見人の保護に悖りかねない、或いはそれを十分に果たせないことから、趣旨に立ち返り、日本法を適用するものです。

律子

3.後見等については、(1)国際裁判管轄、及び(2)外国審判等の承認(・執行)について、規定されているのか。

ワヴィニー



その点は、(しばしば通則法35条との関係が問題となる)通則法5条とは異なりますね。なお、その意味では通則法6条とも。

律子

他にも質問がありますが、4つ目以降は、またの機会に。

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