「抵触法」

律子

「国際私法」のことを「抵触法」(”Conflict of Laws”)と呼ぶ国々もあるようですね。

法の抵触は(「国際」に限らず)「州際」等の場合にも生じる等の背景があり。

ワヴィニー

「英米か!」ですね。

律子

少し違うような…

ワヴィニー

「抵触法」の「抵」は、「抵当権」と同じですね。
相当する」という意味があるようです。おそらく「抵当権」は、(債権価値)相当の担保物権、という意味なのでしょうか。
しかし、担保物権は全て債権価値に相当するはずですから、抵当権は、担保物権の「代名詞」と言えるのかも知れませんね。

また、「抵触法」の「触」には、「ふれる」という意味があるようです。

律子

他方、「抵」には、「ぶつかる」という意味もあるようです。

また、「触」は、(例えば「一触即発」というように)争いの端緒となりえますね。

そう考えると、「抵触法」が、”Conflict of Laws”の翻訳であることは、整合的に思われます。

ワヴィニー

法と法の「衝突」を解決する法分野ということですね。

ただ、(「国際私法」と同じく)「抵触法」上も、(イ)その構造から不可避的に「適応問題」(調整問題)が発生すること、(ロ)それが頻繁であること、(ハ)その解決が大きな課題(「難問」))と言われていること、及び(ニ)その解決手法として様々な解決(抵触法的解決・実質法的解決)が模索されていること等から、「抵触法」の意味内容についても、それと整合的なイメージを持っておくのが良いように思われます。

そこで、個人的には、「抵触法」=(1)「相当する」(平等な)内外法が(「抵」)、(2)触れ合う場面において(「触」)、(3)適応力(調整力)を発揮し最適解を見つけ出すための「法」、というイメージを持っています(翻訳としての正確性や「翻訳者意思」は一旦さておき)。

律子

どっちでもええやん!

ワヴィニー

…まぁ、私は、基本的には「国際私法」という言葉しか使用しませんから、「抵触法」という言葉については、そう言えますね。最初で最後とします…
(なお、「国際私法」は、英語では”Private International Law”と言うらしいですね。私は、基本的には「国際私法」という日本語しか使用しませんが。)

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