通則法43条(適用除外)
通則法43条は、同4条から42条までとの比較において、異質な規定ですね。
(適用除外)
第四十三条 この章の規定は、夫婦、親子その他の親族関係から生ずる扶養の義務については、適用しない。ただし、第三十九条本文の規定の適用については、この限りでない。
2 この章の規定は、遺言の方式については、適用しない。ただし、第三十八条第二項本文、第三十九条本文及び第四十条の規定の適用については、この限りでない。
まずは、夏休みの間に、下記を検討しておいて下さい。
1.43条1項ただし書
(1)なぜ、38条について、
ア.1項本文(・ただし書)を適用しないのか。
イ.2項本文(・ただし書)を適用しないのか。
ウ.3項を適用しないのか。
(2)なぜ、39条について、
ア.本文を適用するのか。
イ.ただし書を適用しないのか。
(3)なぜ、40条について、
ア.1項を適用しないのか。
イ.2項を適用しないのか。
ついでに、下記も検討しておきます。
1.43条2項ただし書
(1)なぜ、38条について、
ア.1項本文(・ただし書)を適用しないのか。
イ.2項本文を適用するのか。
ウ.2項ただし書を適用しないのか。
エ.3項を適用しないのか。
(2)なぜ、39条について、
ア.本文を適用するのか。
イ.ただし書を適用しないのか。
(3)なぜ、40条について、
ア.1項を適用するのか。
イ.2項を適用するのか。
勿論、下記を参照しつつ、検討をしておいて下さい。
第七節 補則
(本国法)
第三十八条 当事者が二以上の国籍を有する場合には、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国があるときはその国の法を、その国籍を有する国のうちに当事者が常居所を有する国がないときは当事者に最も密接な関係がある国の法を当事者の本国法とする。ただし、その国籍のうちのいずれかが日本の国籍であるときは、日本法を当事者の本国法とする。
2 当事者の本国法によるべき場合において、当事者が国籍を有しないときは、その常居所地法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)及び第三十二条の規定の適用については、この限りでない。
3 当事者が地域により法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある地域の法)を当事者の本国法とする。
(常居所地法)
第三十九条 当事者の常居所地法によるべき場合において、その常居所が知れないときは、その居所地法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この限りでない。
(人的に法を異にする国又は地の法)
第四十条 当事者が人的に法を異にする国の国籍を有する場合には、その国の規則に従い指定される法(そのような規則がない場合にあっては、当事者に最も密接な関係がある法)を当事者の本国法とする。
2 前項の規定は、当事者の常居所地が人的に法を異にする場合における当事者の常居所地法で第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)、第二十六条第二項第二号、第三十二条又は第三十八条第二項の規定により適用されるもの及び夫婦に最も密接な関係がある地が人的に法を異にする場合における夫婦に最も密接な関係がある地の法について準用する。
(反致)
第四十一条 (略)
(公序)
第四十二条 (略)
「条文数が43条しかないのでコスパが良い」と言われる国際私法の条文数が、約15増えた気がします(笑)。
一度は、下記を考えておく必要がありますね。
1.「コスパ」、即ち「コスト」・「パフォーマンス」が、厳密には何を意味するのか。
2.コスパが「良い」・「悪い」が、厳密には何を意味するのか。
3.コスパが良い・悪いが、自己との関係において、どのような重要性を有するのか。