「準拠法」~商法において
「準拠法」という文言は、国際私法に特徴的なものの1つですが、他の法律では使用されていないのでしょうか?
(民訴法同様)「商法」(商法典)においても使用されていません。
1つも。
だから、という訳ではないですが、国際私法を学ぶに際し、商法については学ばなくても良いのでしょうか?
そもそも民法・商法を分けていない国もありますから、(内外法の平等を基本原理とする)国際私法の学習に際し、民法について学ぶ必要があるのであれば、商法についても(民法と同様に)学ぶ必要がある、と理解するのが理屈ではあります。
この点、国際私法は実質法の内容には立ち入らない、という基本原理に照らして考えると、実質法としての民法の知識そのものすら不要、というのがこれまた理屈ではあります。ただ、その理由の詳述はさておき、結論としてそれはありえませんね(笑)。そうすると、理屈上は、やはり商法も学ぶ必要があります。
(具体的に考えても、例えば国際的消費貸借契約が問題となった場合等、その利率につき公序の観点から検討する場面がありえますが、その際に考慮される日本法として、ときには民法だけでは足りない、ということも十分想定されますね。)
ただ、律子さんが時折話題にされる日本の司法試験の科目「商法」の学習において、法律・法典たる「商法」について学ぶ必要性が低いのであれば、その知識等につき選択科目である国際私法(国際関係法(私法系))において正面から問う、ということはないと考えるのが合理的でしょう。