国際・英文契約等

律子

国際契約を担当したいので、英文契約の学習に力を入れています。

ワヴィニー

あまり細かい話をしても仕方ありませんが、国際契約について考える場合、もう少し分類をした方が良いように思われます。大きく5つあります。

1.日本国内・和文契約

ワヴィニー

この点は前提としてですが、単なる日本国内契約として、特に言うことはありません。

2.日本国内・英文契約

律子

国内・英文の契約が存在するのですか?

ワヴィニー

外資系企業との契約では良くあることですね。
(なお、「日本国内」に限らなければ、例えば、英国企業同士・米国企業同士の「国内」契約もその多くは当然英文ですね。勿論、日本の法務実務家の観点からは、そのようなケースを含む抽象的な「国内」契約につき語る意義はほぼないと考えていますが。)

3.国際・和文契約

ワヴィニー

これはあまりないですね。要するに、日本語は国際語ではない、ということに尽きると考えています。

4.国際・英文契約

律子

これが私の想定していたものです。

ワヴィニー

典型的には、日本企業と英国企業との契約ですね。

勿論、例えば日本企業とインドネシア企業との英文契約も含まれます。
(なお、日本を含む「国際」に限らなければ、例えばドイツ企業とインドネシア企業との英文契約も含まれます。勿論、日本の法務実務家の観点からは、そのようなケースを含む抽象的な「国際」契約につき語る意義はほぼないと考えていますが。)

ただ、必ずしも「国際契約」=「英文契約」ではないのです。

5.国際・和英以外契約

ワヴィニー

「国際契約」には、例えば日本企業とインドネシア企業とのインドネシア語による契約等、公用語を英語としない複数国に跨るものも含まれます。
(更に言えば、使用言語がフランス語等の(英語以外の)「国際語」であるか否か等の分類もありえますが、これ以上立ち入りません。)

繰り返しになりますが、ここでは、必ずしも「国際契約」=「英文契約」ではない、という点を意識しておけば十分です。

念のためですが、多くの言語を学ぶ必要がある、という訳では決してなく、英語のみで十分だと私は考えています。あくまで国際契約でメジャーなのは英文契約ですから、そこでの表現・概念を中心に学ぶ必要があります。ただ、律子さんが国際法務パーソンを目指すのであれば、様々な点において(文化的・言語的・法的に)、「広い視野」を持つことは非常に重要です。

律子

実際上は、他にもパターンはあるのかも知れませんし、また理論上も、「契約の準拠法(英米法以外)の下、英文契約をどう解釈すべきか?」等について気にはなりますが…

まずは、仰るような意識を以って、英文契約の学習を開始します。
勿論、国際私法の学習も併行して。

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