英語(契約)

律子

弁護士である 友人が、英語力が付かない、と嘆いていました…

1.問題の所在

ワヴィニー

そのような方は多いようですね。

大学の法学部入学以降、ロースクール入試対策(英語)等を除けば、司法試験・司法修習を終えるまで英語に集中する時間はない、というのが実情かも知れませんね。それで25歳前後となります。

その間に英語に対する「心理的障壁」ができてしまうと、就職先も国内実務のみを取り扱う事務所になりがちでしょう。仮にその事務所で3年から5年実務に集中したとすると、「英語ができない弁護士(約30歳)」となる可能性は十分ありますね…。大学受験時の浪人・大学(院)での留年・司法試験の不合格年数も加味すると尚更。

律子

「法律英語」を巡る状況は絶望的に想われます…

ワヴィニー

そんなことはありません。各人の目的意識・行動次第です。

ここでは「法律英語」=「英語(契約)」との理解の下、お奨めできる書籍に絞りご紹介しておきます。
(なお、「法律英語」は人口に膾炙した言葉ですし、後述のお奨め書籍のタイトルでも使用されており、適宜使用はします。ただ、個人的には「法律英語」という言葉・概念には違和感を感じています。「法律日本語」に違和感を感じるのと同様。)

他方、全く別の言葉・概念として、「外国法」(公用語が英語の国の法を含む)があります。それについては別途解説する機会を設けます。

2.具体的対応

(1)英語(一般)

ワヴィニー

まず、英語(一般)については、「英語(一般)~国際私法と併せ」を確認しておいて下さい。

なお、そこには記載しませんでしたが、いわば「一般」と「法律英語」の間にあるものとして、ジョン・グリシャム(自身も弁護士活動をしていた)のリーガルサスペンス(数点は映画化もされている)を音読することはお奨めです。それにより、多くの方が最終的に壁を感じる「映画のセリフのリスニング力」ひいては会話力一般も向上しますし、米国の法制度・運用実態等についても(勿論小説として割り引きはしつつ)一定程度具体的にイメージができます。

(2)英語(契約)

ワヴィニー

書籍も多いところですが、個人的には、例えば、「改訂版 法律英語のカギー契約・文書ー」をお薦めします。

その他、「ローダス21 最新法律英語辞典」は、個人的には「日本の『法律英語』を代表する書籍」だと考えています。
日本法(日本語)と英米法(英語)とを架橋してくれる興味深い「読み物」的要素も大きい一方、あくまで「辞典」ですので、最新版を追い求める必要はなく、一度購入すれば少なくとも10年は使用できるはずです。

もっとも、他にも英語(契約)の書籍は多く出版されていますので、ご自身で気に入ったものを使えば良いでしょう。
そして、それら書籍については、上記書籍同様、ノンネイティブ(日本人等)が著したもので問題ありません。

なぜなら、それら書籍は全て、現地の法律家が解説等すべき「外国法」(公用語が英語の国の法)に関する書籍とは異なり、「相手方」が存在する国際「契約」交渉等において、「実際に通用した」知識・文例・経験をベースに著されている書籍だと合理的に考えられるからです。

律子

早速1冊選んで読み始めることとします。

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